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TIFAセミナー報告「真実は報道されているのか~現地で見たガザ、ヨルダン川西岸地区、イスラエル~」2024年12月7日 |
TIFAセミナーでは、昨年度に続いてパレスチナ問題を取り上げ、今回は今年3月と10月にイスラエルとヨルダン川西岸を訪れたジャーナリスト西谷さんと、戦闘が始まった際にガザで勤務していた大阪赤十字病院看護師の川瀬さんに、現地で見たものや体験をお話いただきました。
まず西谷さんより、イスラエルとパレスチナの戦争がなぜ起こったか簡単に説明がありました(オスマントルコに勝って当地を統治するようになったイギリスが、アラブ人とユダヤ人双方に協力すれば土地を与えると約束したため)。続けて、初めてガザを訪れた2004年にすでに壁がそびえていたこと、今年3月のエルサレムでは逮捕されても停戦を訴えるデモが行われていたのに10月にはあまり見かけなくなっていたこと、パレスチナ人自治区のヨルダン川西岸でもイスラエル人がどんどん入植して武器を使ってパレスチナ人を攻撃したり店や街を破壊している状況などを、映像を交えてお話されました。10月に訪れたイスラエルのスデロット市ではハマスによる被害者の追悼が行われていた一方で、2キロ先のガザでは今も平均すると1日あたり66人もの人々が殺されています。
このように数か月でイスラエルの戦争支持者が急増した背景には、フェイクニュースを流すTikTokはじめSNSの影響やアルジャジーラの閉鎖があるそうです。そこから発展して、兵庫県知事選など日本でもフェイクニュースの影響が大きくなっていること、戦争は燃料使用で莫大なCO2を排出するため地球温暖化の原因にもなっていることなども語られました。最後にアフガニスタンで地元民と共に汗を流して井戸を掘って農業を発展させ、65万人を救った中村哲さんのような活動こそ、平和につながると訴えられました。
川瀬さんは、パレスチナ赤新月社医療支援事業でコロナ時の遠隔支援を経て2023年7月にガザの病院に赴任し、現地スタッフと他のスタッフのためのサプライズパーティーを企画するなど温かい雰囲気の中で仕事をしていたそうです。それが10月7日に一変し、現地スタッフとは一度も会えないまま南方のラファに避難して、そこでパレスチナ人医師の指示のもと薬や食料を確保して必要な人に届けるなどできることをしていたと当時を振り返って話してくれました。今でもバリバリという爆撃の音が忘れられないそうです。また、現地スタッフの「決してあきらめない」という言葉を胸に、悲しむだけでなく「今何ができるか」を考えて行動したい、またもし明日が来ないなら現地スタッフにもう一度会いたいと、ガザへの熱い思いを語ってくれました。
質疑応答では、フェイクニュースは断定的でわかりやすいため早く拡散する、断言する人は疑ってください、私たちにできることとしてBDS(不買)運動や日本が第二のオスロ合意を主導するといった回答などがありました。またネタニヤフとトランプは仲良しで、ノーベル平和賞を狙うトランプのために政権が変わったら停戦するかもしれないという予測も飛び出しました。
参加者はスタッフも含めて35名でした。Facebookを見てという方も数名おられ、PRの大切さを実感しました。シリア状況などますます混迷を深める中東ですが、少しでも平和になってほしいと願うとともに、少なくとも関心を持ち続けたいと思いました。参加者よりいただいたカンパは川瀬さんを通じて赤十字のパレスチナ支援に寄付させていただきました。
(TIFAセミナーグループ)