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国際協力
- アフガニスタン女性支援プログラム
- パタン・ブンガマティ プログラム
- Happy Girls Home 「子どもの家」
- ドダウリ村住民のための支援事業
- ネパール大地震 緊急支援活動 2015年4月~
- ウズベキスタン プログラム
- TIFAネパール自立会
- ネパールでの支援活動
- サナチェタナ小学校 支援プログラム
豊中市立生活情報センター「くらしかん」にて(生活情報ひろば事業として開催)
講師:ソフィア・エルワリさん
報告はこちらをご覧ください。
TIFAワールドクッカリー「イギリスの家庭料理とお話」2016_7_9
【報告】TIFAセミナー
日時:2016年6月19日(土) 午後2時~4時
場所:とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」 セミナー室1ABC
映像とお話:玉本英子さん(アジアプレスインターナショナル)
TIFAで何度か講演をお願いしている映像ジャーナリストの玉本英子さんが、シリア、イラクの現地取材から戻られたので、最新の映像を見せていただきながらお話しを聴きました。
海岸に流れ着いた子どもの遺体の衝撃的な写真が世界中にシリア難民問題を突きつけたが、どうして大挙して避難民となってヨーロッパに逃れようとしたのか、シリアのコバニでの状況から先ず話されました。
クルド人が多く住むコバニは、ISに侵攻されたがクルド人民組織が奪還。しかしISに包囲され、厳しい状態にあった。瓦礫と化した町には日常的にISのロケット弾攻撃があり、ISに対する米国など有志連合の空爆も続き、多くの人がトルコに逃げた。しかし仕事が無くたくさんの人がヨーロッパ、特にドイツへと向かった。
トルコに残った避難民ウバタくんの家に招待されたが、灯りが漏れると攻撃の対象になるので窓は全部ブロックで塞がれていた。子ども達はストレスが溜まるし、高等教育を受ける機会も無いため、シリアに戻りたいが戻れないと親は嘆く。結局、親戚のいる米国へ渡ったそうです。
次に、永年にわたり取材を続けているイラク、中でも北部のクルド系ヤズディ教徒が多く住むシンジャルの悲惨な状況を話されました。
ヤズディ教は独特の宗教で、2014年8月にISに侵攻され、イスラム教への改宗を拒んだ男達は虐殺、女性や子どもは奴隷としてIS支配地域に連れて行かれた。
19歳のイアンさんはお腹に2番目の子どもがいるにも拘わらず結婚させられた。助けもありうまく脱出、親戚と連絡できて今はドイツでメンタルケアを受け、ドイツ語学習に励んでいる。月1200ユーロの手当を貰っている。「何が悪いのか、誰に責任があるのか、こんな酷い目に合わせるなんて!」と怒りと悲しみを訴えられたそうです。
シンジャルは有志連合の空爆でISは撤退したがヤズディ教徒への支援は少なくなった。
ISが撤退しても、ファルージャのようにスンニ派とシーア派の宗派間の裏切り行為で容易に元通りにならない地域もあるということです。
たくさんの映像とお話の後、終わりに玉本さんは「遠い国のことで我々と関係ないと思わないで、他の国や地域の人達のことを考え、皆が心を寄せることが争いを防ぐきっかけになると思う。これからもこの地域の出来事を伝えるため身の安全を十分確保した上で取材を続ける。ただの知りたがり屋の行動ではないということを知って欲しい。」と結ばれました。
その後の質疑応答では、危険な所へ行く理由について「伝えなければならないことを伝えるため。20年間の取材を通じて現地に多くの友人がいる。十分な注意を怠らない。自分自身だったらどうするかと考えるためにも知ることが大切。」と、またイラクでの日本に対するイメージについては「日本企業へのイメージは良いがISのテロなどは自分たちのようなジャーナリストより駐在員や旅行者の方がより危険では?」など熱心なやり取りがありました。
なお、ヤズディ教徒の子どもの教育支援カンパには26,200円も集まり、「必ず届けます」ととても喜ばれていました。
閉会後の交流会にも18人もの方が残られ、さらに突っ込んだ話し合いがなされました。
数多く集まったアンケートにも知ることの大切さが書かれており、現地で取材し、そこで暮らす人々の生の声を伝える玉本さんのような活動は正に国際貢献だと思いました。現場でしか得られない情報を私たちに伝えて頂けることに感謝しています。(上田)
(くらしかん生活情報ひろば事業として)
6月13日(月)参加者22名(内講師1人・スタッフ4人)
メニュー:
牛肉のブン(米粉の麺)
バインセオ(ベト ナム風お好み焼き)
生春巻き
ニンジン、キュウリ,玉ねぎの甘酢サラダ
バナナのチェ
サパナでいつも大変美味しいと好評のベトナム人シェフ、イエンさんに講師をお願いしました。
今回の講座は、とても人気で申し込み者は17人でした。
盛りだくさんのメニューでしたが、全員で頑張ったので、ちょうど12時には出来上がりました。
筍、桃、イチゴ、コスモスなどニンジンの飾り切りを教えていただき、挑戦しました。
途中、ヌックマム、砂糖、酢がなくなるというハプニングもありましたが、会員の手助けで調達できました。これには大変感謝です。
食べながらイエンさんから、ベトナムのパーティーでは手巻き寿司のノリのように生春巻きの皮と霧吹きを置いておいて、バインセオやサラダを自由に巻いて食べる話や、ブンとフォーの違いを教えていただきました。
最近健康食としてサパナでも好評のチアシードをチェの上にふりかけ、参加者にチアシードの効用の宣伝もできました。
とても美味しく、盛り沢山だと皆さまに喜んでいただけました。
皆さま、ありがとうございました。
ネパールの震災から1年、東北の大震災から5年、被災地の人をご縁でつなごうと、
5月14日に、若者の街堀江にあるお寺で、ネパールの物品やディップラスナのカレー、
そしてジャムや豆菓子など福島の食品の販売、シタールの演奏やミンダナオ子ども図書館の松井友さんのお話など、盛りだくさんのイベントを開催しました。
大阪市の真ん中でのイベントでしたので予想がつきませんでしたが、好天に恵まれ、
道行く人達の参加もあり、気持ちの良い有意義なイベントになりました。
長年にわたり移住労働者の権利について現場から研究・発信されている藤本さんをお招きして、まもなく始まる家事労働分野の外国人労働者受入れについて、その現状や問題点をお聞きしました。豊富なご経験に基づいた中身の濃いレクチャーでした。要点を以下にまとめます。
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「日本再興戦略」(2014改訂)にて、女性の活躍推進のための外国人の活用が決定。
「技能実習制度における介護分野での外国人の受け入れ」「介護福祉士を取得した留学生の就労許可」と並んで、「国家戦略特区における『家事支援人材』の受け入れ」を進める方針が打ち出される。
■その目的は?
家事労働の人材が不足しているからではなく、在日アメリカ経済界からの要請が発端。(女性社員の中途退社防止、滞日駐在員に英語を話せるお手伝いさんが必要、など)
国会にて野党からの質問「なぜ外国から新規に受け入れるのか?」→厚労相から具体的回答なし。
公的な介護(または保育)サービスを縮小し、各家庭の「自己責任」を拡大するための布石という隠された意図も感じられる。
■大阪でも受け入れが始まるのか?
国からの呼びかけに真っ先に橋下大阪市長(当時)が手を上げ、それに追随して松井府知事が受け入れを表明。スタート時は大阪市のみ。豊中市は当面、受け入れる予定なし。神奈川県は2016年4月から、大阪市は6月から開始予定。
①炊事、②洗濯、③掃除、④買物 ⑤関連する子どもの世話や保護 ⑥高齢者の生活に必要な行為の代行・補助(身体介護は含まない)。住み込みは禁止。
⑤と⑥については、ベビーシッターや介護労働との境目があいまいで要注意。
■受け入れ事業者の条件は?
家事代行サービスの実績のある会社(ダスキン、パソナなど)に加えて、いつの間にか、高齢者サービスの会社も参入可能に、制度が変えられている(介護人材を集めるため?)。
■人権上、どのような問題が懸念されるか?
・一般的な家事に加えて、子どもや高齢者の世話など利用者の過剰な要求にさらされる可能性と、それに伴う事故やトラブルのリスク
・派遣先の家庭でセクハラやパワハラなどの可能性(利用者への人権啓発が必要)
・労働者に、雇用主や就労先、住居などを変更する自由がない。
・強制帰国などの制裁を心配して、派遣会社へ権利を主張できず我慢する恐れがある。
・賃金は日本人と同等以上とされているが、日本の家事労働者の労働条件自体がよくない。
■「女性が輝く」ための効果は?
1時間3,000円以上の利用料を払える女性にとっては有効な選択肢になりうるが、それ以外の女性には「恩恵」はほとんど届かない。シングルマザーにも手が届かない。
今後、利用料の引き下げが予想されるが、その場合は労働者にしわ寄せがいく恐れがある。
<参加者からのアンケートより>
*家事支援人材の受入れの流れ、課題についてとてもわかりやすい説明でした。誰のための制度か・・・そもそものところに大きな疑問を感じました。
*閣議決定された経緯を知って納得。市民も賢くならないといけないとつくづく思いました。
*大変わかりやすく勉強になった。「外国人材」を受け入れる以上、労働者の人権を重視し、生甲斐をもって働いてほしい。国が民間への丸投げをすることを日頃から見ておくことが必要です。
*人間らしく子育てや家事もしながら働けることを目指すべきなのに、それに逆行するような法案だなあと思いました。一億総働きバチにならなくてはならないのでしょうか?
*今後の実態についても、ぜひまた藤本さんから聞きたいです。
まもなく実際の受入れがスタートします。多文化共生社会を進めていく上でも、私たちも市民として厳しい目でこの制度の成り行きを見張っていきたいと思います。 (TIFAセミナーグループ)