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<TIFAセミナー 報告>
2021年11月27日(土) 豊中市立生活情報センター「くらしかん」にて、神戸大学大学院国際協力研究科 准教授の斉藤 善久さんからお話をお聞きしました。
日本の技能実習制度の創設から現在に至る経緯、実習生の現状、制度や対応の問題点など、斎藤さんご自身の支援活動のご経験を踏まえて、わかりやすく、熱意をもって語っていただきました。
講演後、地元豊中で実習生の支援活動をされている荒木さんからもお話を聞きました。
ベトナム出身の方々も交えた質疑応答、意見交換もあり、大変有意義なセミナーとなりました。
そもそも技能実習制度とは何か?
1960年代から外国人への研修は行われていたが、1990年 入管法が改正され、送り出し機関から監理会社を通して中小企業に派遣する「団体監理型」制度がスタート。これが諸悪の根源となった。
その後、人権問題として国際的に批判される中、制度改正を重ね、期間が延長されてきたが、「技能実習計画」提出義務など、面倒な作業が増えてコストも増えた。それを負担するのは実習生自身。
2018年、特定技能制度が上乗せされ、送り出し機関不要となるが、送り出し国や日本の受け入れ機関の実態は伴なっておらず、労働者の人権が守られていない状態が続いている。
そもそも技能実習制度自体が、「国際貢献」という建前で他国の労働力を利用するためのフィクションと言える。
女性技能実習生の現状
非常に高い来日費用が必要なため、借金を抱えて来日。薄給でも生活費は取られ借金が返せず、失踪して不法就労となることも多い。女性の脆弱性からトラブルに遭遇しやすい傾向がある。雇用主からの性的搾取、妊娠した場合の処遇(本人も会社も秘密にする、出産後の復職困難)など。女性の場合、ストレスやショックが重なると精神状態が不安定になりがちで、自殺(未遂)の例もある。行政につなぐNPOなど支援者が必要。
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庄内の監理団体で勤務していた荒木こうたさんからもお話をお聞きしました。
京橋でストリートライブ中、ベトナム領事館の人から誘われたことをきっかけに、ベトナムへ。家族のようによくしてもらって、完全にベトナムの虜に。
帰国後、ハローワークを通じて実習生の監理団体に就職したが、その仕事に失望。実習生にもっと寄り添いたいと思い、退職。今は、実習生や留学生にベトナム料理を無償で届け、相談にのる活動をしている。ベトナム人実習生については悪いニュースばかりが出るが、先入観だけで接するのではなく、その背景を理解してほしい。お互いの誤解を解く発信をしていきたい。
市民の皆さんには、実習生や留学生に一つでも声を掛けて、見守っていただきたい。
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<アンケートより>
・実習生の実態を聴き、この制度の問題の大きさを知った。
・日本人として恥ずかしい。ベトナム人女性が出産し、子どもが無国籍になることが心配。
・非常に興味深い内容だった。今後少しでもベトナム人実習生の方々の役に立ちたい。
など、多くの方から感想が寄せられました。ありがとうございました。
(記録:TIFAセミナーグループ)