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9月19日(土)にTIFAセミナーを開催しました。
「イスラームの女子教育~アフガニスタン~アフガニスタン支援活動のお話から考える~」
9/19日(土)14:00~16:00 すてっぷセミナー室にて 参加者 33名
お話:西垣 敬子さん(宝塚・アフガニスタン友好協会 会長)、イラ・ミラ・ヴィダニンシーさん(インドネシア)
ISのニュースなど、マスコミではイスラームについてマイナス面ばかり報道されていることから、イスラーム社会についてもっと勉強しようと、今回はマララさんがノーベル賞を受賞されたことで、女子教育にスポットを当てたセミナーを企画しました。アフガニスタンで女子教育を支援されている西垣さんに20年間撮りためた画像を交えてお話していただくとともに、TIFAとずっとお付き合いのあるイラさんから、インドネシアの実情を聞きました。
それまで主婦だった西垣さんは、1994年のアフガニスタン内戦をきっかけに、59歳で当地の女性と子どもの支援を始められました。初めて現地に行ったときに出会ったはIDPと呼ばれる国外に出られず国連のテントで暮らす居場所のない人たちに大変な衝撃を受け、「何かできたら」と手回しミシンを届けて洋裁教室を開きました。そこで現地の刺繍が素晴らしいことを知り、刺繍糸を集めて届ける活動も始められました。
1996年から6年間はタリバーン政権によって女性の就学・就業が禁止されたため、牛小屋などで隠れて教育を行なわれており、教師の給料を支援。郊外の学校に通う際には、タリバーンの兵士が自分の母親より年上の女性ということで親切に送ってくれたそうです。その後、3年かけて1200万円を集めてパキスタン国境近くのジャララバードにある大学の女子寮を作った際は、手抜き工事をされないよう現地に何度も足を運びました。おかげで田舎に住む優秀な女子高生が大学で学べるようになりましたが、女性の仕事は医者と看護師しかないとのこと。ほかにも孤児のためにサッカー場を作ったり、義足をプレゼントしたりといった支援を続け、2006年には毎日国際交流賞受賞を受賞されました。
現在は、ISの流れをくむタリバーン勢力TTPの台頭で、ジャララバードが危険になり、遺跡等が多く残るヘラートで遺跡の発掘や細密画の紹介といった活動に軸足を移していくつもりとのこと。「誇り高くて卑しくないアフガニスタン人が大好き」という西垣さんのお話は、女子教育にとどまらず、アフガニスタンの魅力を伝える内容となりました。
続いてイラさんからは、インドネシアのイスラーム社会について、350年間にわたるオランダによる植民地支配後期に生きたカルティニという女性の著書「闇を越えて光へ」によって女性解放運動が始まったこと、インドネシアでは、コーランの教えによって男女平等や女性の遺産相続権利が保障されており、社会進出も進んでいるが、その際には肌を出さない・アクセサリー等で見栄を張らない・男性が勘違いするような話し方や目線を使わない・親や夫の了解を得るといった決まりがあると話してくれました。
質疑応答では、今のタリバーンとかつてのタリバーンとの違いについて(今のタリバーンは主にパキスタン人によるもの)、夫が亡くなったら?(大家族制度が支える)、スポーツ(アフガニスタンでは服装などに制限があり、あまりチャンスがない。インドネシアではバドミントンが人気)といった質問があり、理解が深まりました。
西垣さんとイラさんのお話から、アフガニスタンでは女子教育の支援はなかなか難しいということ、そして改めて同じコーランを基にしたイスラーム社会でも、国によって事情は異なるということを知ることができました。
アフガニスタンが大好きと言われる西垣さんは次の訪問を考えられていますが、信頼されていたNGOとしての活動が安保法制が通ったことで大変危険になると強い口調でおっしゃっておられました。私たちの大きな懸念でもあります。